モノとエピソード

行きつけの本屋で、出会った。

 

日々の100 (集英社文庫)

日々の100 (集英社文庫)

 

 

きれいな表紙写真と、どこか質素な佇まい(?。本に佇まいなんてあるのかどうか不安だが)に惹かれた。「暮しの手帖」の編集長である著者の、身のまわりの「モノとそれにまつわるエピソード」を100個、紹介している。

 

少し読んで、思った。この人の文章が好きだ。この人の考え方が好きだ。この人がどういう方なのか、それはほんの少しこの本を読んで感じる程度しか分からないけれど、どこか自分に近く、すごく共感するところが多いように思う。「僕の唯一の取り柄は素直さだ」と言うところとか、下戸であるらしいところとか、どこかに出かけたり人と会ったりすることが億劫だと思うらしいところとか。

 

手にしているモノひとつひとつにストーリーを持っていて、そのストーリーを味わいながら、生きている。そういうところが、かっこいいと思う。自分もそうありたいと思う。極力無駄なモノは排除して、部屋をスッキリさせて、持つモノは少なく、こだわらないモノはとことん質素に、と、とかねてより思っていたけれど、その考えに、「なにかこだわりとエピソードのあるモノを持とう」という考えが加わった。

 

 

しばらく前に「人はモノを買うのではなく、そのモノにまつわるストーリーを買うのだ」という言葉を聞いたのを、ふと思い出した。ジュートという麻を使ったバッグを企画する「マザーハウス」という会社だ。そのバッグを買うことで、バングラデシュの被災地支援、貧困支援の一員になれる、という体験を得ることができる。モノを手に入れるということを超えた体験ができる、というのも、なかなか面白いと思う。

 

モノにエピソードを。自分ももっと、モノとエピソードとを結びつけて、大切にしたい。

 

裸でも生きる――25歳女性起業家の号泣戦記 (講談社BIZ)

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