残り全部バケーション

今年もいろんな本を読もう。で、頭の中に宇宙をつくりたい。そんな子供みたいなことを目論んでいる。もしそうなったら、豊富な話題で人との会話も盛り上がって、いいじゃない。いままでより1000倍、人に会うのが楽しみになる。超口下手な私にとって、こんなに嬉しいことはない。

 
大好きな伊坂さん小説。彼の頭の中には、広大な宇宙がある。 

 

残り全部バケーション

残り全部バケーション

 

 

 「溝口」と「岡田」を中心とした5つの短編。それぞれ独立しているけど、それぞれがつながっている。読みながら徐々に、鎖がつながるような、快感を味わえる。

 
簡単に言うとどんな話なの、と聞かれても、うまく説明するのが難しい。それがもどかしいんだけど、伝えようと脳を働かせて言葉を選んでいく、そのことが良いのかもしれない。一人称が変わっていく展開はほんとに面白い。
 
「過去のことばっかり見てると、意味ないですよ。車だって、ずっとバックミラー見てたら、危ないじゃないですか。事故りますよ。進行方向をしっかり見て、運転しないと。来た道なんて、時々確認するぐらいがちょうどいいですよ」(p34)
 
...そうですよね、ハイ。なかなかうまいことをおっしゃる。