紳士の言い逃れ

紳士の言い逃れ (文春文庫)

紳士の言い逃れ (文春文庫)

 

氏の本を買うのも、そろそろ慣れた。これほど「この本を読んでこういうことを吸収してやろう」とか「清々しい気分を味わおう」とか、そういった期待を一切持たずに、フラットな気持ちで買える本もめずらしい。普通数百円払うからには、何かしら得たいと思うのだろうが、この本からは何も得られなくてもいい。ただ「こういうエッセイもあるんだ。こういう生き方、考え方もあるんだ」というのが分かるだけでいい。緊張感を持たずに読めるというメリットがある一方、電車内で読んでると急に吹き出しそうになり、頭のおかしい人だと周りの人に思われそうになるというデメリットもあるのだが。今日はちとやばかった。笑っちゃった。

 

電車での通勤時間がおよそ1時間。往復で2時間。ほぼ毎日のことだから、この積み重ねは大きい。寝たり音楽聴いてたり、というのが楽なのは事実だが、せっかくのこの時間、有意義に使いたい。通勤で疲れるほど職場から離れたところに住んでいるということを、仕事に身が入らない理由にしたくない。紳士でありたいし、言い逃れはしたくない。小説でも読むか。

 

ようこそ、わが家へ (小学館文庫)

ようこそ、わが家へ (小学館文庫)

 

気になる作家さんの文庫本。事務所のスタッフにすすめられ、購入。出だしからテンポよく話が展開する。結末が楽しみ。

 

隠蔽捜査 (新潮文庫)

隠蔽捜査 (新潮文庫)

 

同じくスタッフにすすめられ、借りて読んでるところ。登場人物の心理描写がうまい、気鋭の作家さんとのこと。続編もあり、先は長いが、こちらも楽しみ。

 

電車内、眠いのは事実だが、他にやるべきことは無限にある。まだ読み終わってない本が今や遅しと待っている。一日2時間の往復を、毎日繰り返しても読み終わらない。そりゃそうだろう、どんどん増えるんだから。