街場の読書論

寒い。暖房の効いた部屋で一日中閉じこもっていたい衝動に駆られる。こんなに冬が嫌いだったか、と今更になって思う。大寒を過ぎた1月の終わり。もうそろそろ気温が高くなる方へ向かっていいですよ、と空につぶやく。

 

仕事は充実している。が、頭の中で整理しなければならないことが多く、それが整理しきれず右往左往することがしばしば。情報はどんどん頭の中に入ってくる。だけどそれを脳内で処理してアウトプットできない。「残業は悪」そういう言葉はよく聞くし、逆に「『残業は悪』に潜むウソ」と主張する本もある。どちらの意見も一長一短、どちらにも正しい部分はあると思う。でもそれらの言葉に翻弄されて、「オレはサービス残業するほど仕事人間じゃない」とか「いまの時期くらい、休みなしでやってやればいいじゃん」とか、相対する考えが自分の頭の中で駆け巡る、どっちつかずの立場もどうかと思う。結局私は優柔不断。エドモンド本田に百烈張り手を食らわされるレベルだ。

 

あったこと。言われたこと。宿題事項。それらを律儀に紙に箇条書きでもいいから書いて、それをひとつひとつ片付けていく。言葉でいうとこんな簡単なことはないと思うんだけど、それを丁寧に、誠実にやろうと思いながらなかなかできないのはなぜか。自分で解決できないことは上司に相談して指示を仰ぐ。どうやったらプロジェクトが失敗しないか、考えられるリスクを集めて、それに対しての対策を絞り出す。言葉でいうと簡単なんだけど・・・「できたぜ」と言える気がしないのはなぜか。外から降り注いでくる情報が思考の邪魔をしているのか。そうやって外部のせいにしている気がする。でもそれは外部のせいではない。その証拠に、私以上にインプットしていそうなのにアウトプットになんの支障もきたしていないと思われる人を何人も知っている。

 

だからといってインプットを減らそう、としたらよくないと思う。いまの時点で自分の知識量は平均以下な気がするので。知識量を増やすことは、本来仕事の質を上げる方向に向かうことはあっても、仕事の妨げにはならないはず。そう思いながら、人がどういう本を読んでいるのかを知って自分の読書の参考にする。知識人がどういう本を読んで、どう感じているか。読書論は面白い。

 

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