- 作者: 伊集院静
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/12/11
- メディア: 単行本
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大人の男とはなんぞや、と考えることが最近よくある。なにか行動しようとするときに、「こういうとき大人の男はどっちを選ぶだろう」とか「いやいや、これは大人の男がすることじゃない」とか。自分の中で厳密に定義付けているわけではなく、イメージだけが先行して、そのイメージがただ頭の中をフワフワ漂っているような。口だけ達者に「大人の男になりたい」と言いながら、じゃぁどうであればいいのかが曖昧、そうである限り「大人の流儀」は得られないんじゃないか??
こうズバッと自分の軸を語れる人はカッコいい。こういう人が大人の男なんだろうな。真剣に遊ぶ姿勢は見習いたい。とことん遊んだ経験があるからこそ、若いうちは休んでなんかいないでがむしゃらに働け、という命令にも説得力をもつ。じゃぁ自分もなにか得られるまで遊べばいいのか?その度胸がない私は、もしかしたらいつまでたっても大人の男になれないのかもしれない。
「価値のある仕事に支払いをするのは私たちの大事なツトメだから」
(「あの人は私の中に生きている」から)
「仕事の根本は、誠実と丁寧である。このふたつを成立させるのは品格と姿勢だ。これを覚えるのに下手をすると何十年、いや一生かかる。だから仕事には揺るぎない尊厳がある」
(「綺麗に遊んでグッドバイ」より)
価値のある仕事に支払いをするのも、価値のある仕事をするのも、どちらにも「尊厳」があると思った。