他力本願

他人の生き方に興味がある。そう言うとかなり他力本願な考え方のように聞こえるけれど、本当なんだから仕方ない。他人がどう考えて仕事をしているか、仕事についてどう考えているか、そういったことを本とかニュースとかで知ると、いろいろ気づくことがある。「あっここは自分と同じだ」とか「へぇ~そういう考え方もあるんだ」とか。

 

AKB48のメンバーが学業に専念するといって卒業した。アイドルとして華やかな世界で頑張っていた女の子が、「一人の人間として認められるように頑張りたい」と言った。そんなん聞いたら、「じゃぁ自分はもっと頑張らなくちゃなんじゃないか?」と思いたくもなる。こういう娘が卒業して学業に専念したら、きっとものすごい集中力を発揮して勉強してすごい人になるような気がする。そうなる前に私も。

 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121130-00000027-flix-movi

 

建築家の安藤忠雄氏は、事務所設立時代、昼飯時はパンをかじりながら専門書を読み漁っていた。実力のある人が例外なくそうとは限らないと思うけれど、「寝食を忘れて」仕事に没頭できる人は、ほぼ例外なく実力がある気がする。そして、人が聞いてびっくりするような長時間の勉強や仕事も、できるできないではなく、実際にやるかやらないか、その違いなのかもしれない。やればできるようになるし、できると口では言ったってやらなければできない。できる人とできない人との違いは紙一重なのかも。

 

安藤忠雄 仕事をつくる―私の履歴書

安藤忠雄 仕事をつくる―私の履歴書

 

放送作家の高田文夫氏は、若手時代は10年で10時間くらいしか寝てないんじゃないかってくらい働いたと言っていた。「大げさだろう」とか、「精神衛生上不可能だろ」とか、そういったツッコミは置いておいて、それだけ実際やった人だけがたどり着ける境地があるんだろう。

 

プロ論。3

プロ論。3

 

プラネタリウムをつくるエンジニアの大平貴之氏は、会社に勤めながらプラネタリウムづくりに没頭して、メガスターを作り上げた。投影星数2200万個のメガスター。その神秘に感動した人の気持ちが伝播し続けたら、きっと社会も変わると思う。

 

 

ロボット研究者の古田貴之氏は、難病を乗り越えるなかで車椅子ロボットをつくろうと決意する。病気から奇跡的に復活してからは、その後の人生はボーナスのようなものだと開き直り、失明寸前まで研究室にこもって勉強を続けたという。それも「フツー真似できないでしょ」なんてツッコミまず、そこまで没頭できる対象があることに対して、羨ましいと思う。

 

一流たちの修業時代 (光文社新書)

一流たちの修業時代 (光文社新書)

 

いろんな他人がいろんなことを考えてるから、そういうのを知ると面白い。自分も様々な場面で「こういうとき、あの人だったらどう考えるだろう」と考えてみることが最近多い。でいままで自分が選んでこなかった選択を試しにしてみたり。そうやった結果を、自分の糧にしていくといいのではないか。