ロードバイクに追い抜かれ

9月16日。日曜日。

 

午後、ジョギング。

 

エントリーした東京マラソンの当選発表までの間、なにもせずボーっとしてるわけにいかず、すこしづつ体を慣らしていく。これで落選したら走れなくなるんだろうな・・・

 

数少ない趣味の一つであるジョギング。自分からこれをとったら完全に運動音痴のデブになってしまう。

 

昔から運動神経が悪く、球技・水泳・短距離走・器械体操、すべてにおいてダメだった。苦痛ではあるが、ただ長時間走ることに耐えさえすればいい長距離走だけが、得意種目だった気がする。

 

それがいまでは、ちょっと走っただけで筋肉痛。これじゃいけない。

 

時計を持たず、時間を意識せず、とにかくロングスローディスタンス。

 

江戸川を横切る総武線高架下の折り返し地点にたどり着いたときには、すでに意識は朦朧としていた。

 

そんな消えゆく意識の中でたった一つ気付いたことがある。

 

ぼくと同じくジョギングで汗を流す人と同じくらいかもしくはそれ以上に、自転車(ママチャリとかじゃなくて、いわゆるロードバイクみたいなやつね)で走る人が多いこと。

 

これもブームなのか。

 

頭のとがったヘルメットをかぶり、前傾姿勢で一気にぼくを追い抜く。

 

これはジョギングほど自分の体に負荷をかけない、より気軽な趣味となりそう。きつくないから手軽に始められるし、ジョギング以上に行動範囲が広がるし。

 

消えゆく意識の中で、そんな新しい趣味をムダに模索しながら、ゴールまでの距離を一歩一歩縮めていく。

 

スタート地点では、外国人集団がイベントで綱引きしてはしゃいでいた。その脇でゴールしたときにはまだ外国人集団ははしゃいでいたから、こいつらも熱中症で倒れるんじゃないかと、いらぬ心配をした。

 

足の痛みが半端なく、こんな苦痛はとてもじゃないけど毎日の日課にはできない。1週間に一度くらい、苦痛に耐える覚悟を決めて走るくらいにはいいのかもしれない。