J-送別会

9月1日。土曜日。

 

事務所待機中。

 

半日ひとりでぼんやりしているというのもめったにない。仕事場であるという若干の緊張感があって寝転んだりはできないけれど、それくらいがいい。寝たらアウトだ。寝たら一日なんにもできなくなる。

 

突然の雨。ずいぶん久しぶりな気がする・・・いや、こないだも降ったか。あの時はすごいどしゃ降りで、駅を離れられず困惑している人が多かった。

 

9月になったことだし、これが起爆剤にでもなって少しでも涼しくなってほしいものだ。もうハンカチで額の汗をぬぐいながら歩くのは嫌だ。

 

でも、と毎年抱えることとなる葛藤にふと気づく。凍えて動くことすらできない冬が来るのはもっと嫌だ。

 

秋は食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋、といろいろ言われるように、何をするにも快適な、ステキな季節。逆に言うとその秋の前後、夏と冬は何をやっても結果はイマイチ。そんな環境があたりまえの日本人をフツーにえらいと思う。

 

 

 

昨夜は事務所の先輩の送別会だった。ぼくがこの事務所に転職する際、唯一転職前から知っていた先輩で、いろいろ教えてもらった。そんなに年が離れているわけでもないのに、また語り口はおだやかで、キビキビとした雰囲気のない先輩なのに、いろいろ話をしていると、まるで自分の無知をさらすかのように、厳しく、しかし的確に指摘をしてくれる。それがきっかけで、知らないことを知らないまま放置していたことの悪さを思い知ることになった。

 

大学院を卒業した後、事務所に入って8年在籍していたという。建築設計事務所で8年在籍というのは長いほうだそうで、いろいろな建築家のことを本で読んでも、数年経ったら独立、というパワフルな人が多いように思う。8年間事務所で培ってきたことをいかしてこれから更に活躍してくれるのではないかと、期待している。

 

それと同時に、8年で勤続年数長いって判断されるんだとしたら、そんな難しくないな、とも思ってしまった。前職のゼネコンでは、20年30年勤続の方もたくさんいて、6年でやめた自分なんて、まだペーペーみたいなもんだった。そんな会社に出世払いもせず6年で去った自分が言っても説得力ぜんぜんないけど、いまここで10年とか働くことに対して、そんなハードルが高いように感じない。もちろん仕事力は勤続年数だけに依存するものじゃないはずだ。だけど、少しでも因果関係があるのであれば、ただ「会社に頼るようじゃダメだ。自分の人生は自分で切り拓かなきゃダメだ」と今風に渇をいれるだけじゃなくて、いまの居場所を徹底的に使いこなしてやろうと思った。長くいてはじめて知ることもあるだろうし。