大人げない大人になれ

日曜日。


毎度のことながら昼過ぎまで寝る。


給料日前の極貧状態。


明日一日を乗り切るお金を手に入れるべく、もう一生読まないであろう本数冊と、パソコンに録音したからもう持っていなくていいであろうCD2枚を手に、古本屋へ。

(大好きなロックバンドが解散してしまい、そもそもCD自体買わなくなって久しい現在、CDをもつのはもうやめよう、と決意したこともその一因)


平均1500円のビジネス書10冊と、アルバム1枚、シングル1枚。

慣れない買取カウンターへ。

数分後。

やけにはやい査定終了のアナウンス。

店員「191円ですが、よろしいでしょうか」

ぼく「・・・えっ(一瞬1191円かとも思ったが)これ全部でですか?」


店員「はい。本が1冊10円です。アルバムが150円なのですが、ジャケットにキズがついてるので60円引かせていただきました。シングルは1円です」



ぼく「・・・は、はい、大丈夫です」


そんなもんだと言われればそれまでですが、予想以上の買取額の低さにびっくりするとともに、今後二度と小銭目当てで本は売らないと心に決めた。


だいたい、ページを折ったり、ときにはボールペンで下線引いたりするから、そもそも売れないことが多いのだが。


「この本は売る事になるかもしれないから折らないでおこう」なんて貧乏くさい考えは捨て去ろう。


1冊10円にしかならない本を売りにガソリン使うくらいだったら、捨てたほうがマシだ。



誰かが本で言ってた、本は売れないくらい(下線を引く、字を書き込むなどして)使い倒せ、という言葉の意味がひょんなきっかけで分かった気がした。



長い前置きで恐縮です。




これは捨てようとか売ろうとか思わない、勉強になる本。


「大人げない大人になれ!」成毛眞 ダイヤモンド社


オレンジ色のどぎつい表紙とどぎついタイトルにひかれ購入。

著者はマイクロソフトの元社長だそう。


堀江貴文にしても、ビルゲイツにしても、ノーベル賞を受賞した歴代の人たちにしても、成功者はみんな大人げない。

彼らの共通点は「自分の好きなことに極限まで没頭することができる」ということ。

その集中力が、ものすごいエネルギーを生み出す。

大人になると、「常識的に考えて」という思考が染み付いてしまうため、自分の頭で考えなくなる。

それに比べて子供は、夜遅くなって親に怒鳴られるまで公園で遊びまわる。後のことは考えず、今を楽しく過ごす事に全力を注ぐ。


結局、何が優先か、とか効率的か、とか考えずに、直感的に今やりたいことをいまやる。

そのような子供のような純粋さをもった「大人げない」大人が、ここ一番で恐ろしいほどの集中力を発揮するのだろう。


この本を読んで、自分のやりたいこととやるべきこととの違いが云々なんて考えずに、やりたいことをやりたいときにすることに全力を注ぐようにしようと思った。

そのために極端なお金の使い方をしようと。

やりたいことのため、自分の血肉になるもののためには惜しまずにお金を使う。

そのかわり、それ以外の無駄にしかならないものには一切使わない。


ぼくの場合、趣味の時計収集やラーメン食べ歩き、喫茶店巡りなどのためにはちゃんと資金を費やしてドーパミンを増やし、そのかわり、一切吸わないタバコやあまり飲まないお酒、やる意味が分かんないギャンブルには今後もびた一文払わないと胸に誓う。


あと、「ビジネススキルをあげるために読まなければならない義務としての読書」ももうやめて、純粋に知りたいから、楽しみたいから、という動機で本を選ぶようにしよう。


読書は娯楽だ。

読書が義務になったら、それこそ小中学校時代に戻ってしまう・・・

そんな当たり前の事に気づかせてもらえる本です。