内覧会

今日は正式に休日出勤。
この度竣工しました押上の分譲マンションの内覧会立会い。


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最近はデベロッパーの分譲事業の仕事が少ないためか、内覧会の立会いはホント久しぶり。やけに緊張しました。
しかも最近のお客様はホントに頭がよくて、ホントに用意周到で、ホントに予備知識充分。
そこまで気にするかなぁ・・・って思うようなことも質問してくるし、水平器とか持ってきて床の水平計ったりしてるし。

でも、おそらく一生で一番の大きな買い物であろう、数千万円規模の出費だから、小さなことでも妥協しない、という気持ちは分かるし、実際その通りだと思う。
ぼくらはそこで内覧会立会いを終えたらそれで終わり(ましてや自社が分譲主ではないわけだし)だけど、
お客さんはそこでずっと住むんだから、神経質になるのも無理はないよね。

にしても、お金持ちそうなお客さんが多かった・・・
マンションを売る立場の自分が同じ立場に立てるかと自問したとき、ちょっと不安になった。
結婚して自立することを考えたとき、はたしてぼくは家を買えるだろうか。
そう、お客様を案内しながら考えた。


もちろん、選択肢は「都心のマンション購入」だけではない。
ぼくは昔から田舎に住んでて戸建て派(持ち家派)だから、
マンションじゃなくて戸建て住宅に住みたいっていう気持ちはいまだにある。
家は「そこにある」ものを「買う」んじゃなくて「つくる」ものだ。
そんな固定観念はいまだにある。

でも、最近はその考え方もだんだんかわりつつある。

ひとつは、コーポラティブハウスという選択肢。
一応戸建て住宅というよりは共同住宅という扱いの方が近いが、
できあいの分譲マンションと違って、自分の好きな間取りをつくることができる点で、より持ち家志向がもてる。
仕事でもコーポラの施工にも取り組んでるし、大学時代からコミュニティの点から興味があったので、純粋にコーポラに住みたい、という欲望はある。


もうひとつ、別の考え方。
書評ブロガーで人気の小飼弾氏も「弾言」されてましたが、
「モノを所有するのではなく、そのモノにアクセスする権利をカネで買うようにする」。
つまり一度買ったらそこに定住する事になる「家を買う」ではなく、自分の仕事などライフスタイルの流れにあわせて必要に応じて住む場所を変える、つまり「住む権利を買う」。
この考え方のほうが、より効率的な都市計画につながるそう。


・・・その通りだと思う。だからぼくの考え方も、「定住する家を買う」から「その都度効率的な場所に住む」という考え方にシフトしてきている。
もちろん、仕事場が頻繁に変わるとは限らない。変わらないのであれば、むしろ持ち家の方が住み心地がいいし、ドブに捨ててるような家賃支払いもない。
でも、実際に30年ローンで家を買うのと、毎月定額の家賃を支払い続けるのとでは、長い目で見ても実はそれほど大差はないということは分かっています。
結局は「所有する」か「住む権利を買う」かの違い。



そんな相反するふたつの考え方のどちらもいいなと思いながら、
今日、新たな住まいに心を弾ませているお客さんを見ていました。