読書

走る、を続けること

また毎日ジョギングをしようと決意した。これまで、やろうと決めて、数日は続くのだけれど、長続きせず断念、ということを繰り返していた。だから少しづつであっても、必ず毎日、走るようにする。そう決めた。そして今朝、ほんのちょっとの距離だけれど、走…

マイクロスパイ・アンサンブル

伊坂幸太郎の新刊を昨日書店で見つけ、迷わず買った。読み始めたら止まらなくなり、本日読了。単行本1冊を2日で読み終えるという経験は最近ではなかったから、驚いた。でもあっという間だった。 恋人に振られた新入社員の5年間と、ある任務を遂行するスパイ…

鉛筆と鉛筆削り

鉛筆をこよなく愛する人による本を偶然本屋で見かけて、面白そうだったので手に取った。私にはここまでの鉛筆愛はないけれど、鉛筆を使って文字を書く機会が少なくなったいまの自分の境遇をなんとなく寂しいと思っていたので、このような熱をもった人がいる…

不要な本

不用品は例外なくタダ。石黒智子「少ないもので贅沢に暮らす」(PHP文庫)を久しぶりに読んで、そうだよな、そのこだわりって大事だよな、と思った。自分にとっていらないのだから、他人にそれを譲る時は、タダ。お金のやり取りはなしにしましょう、と頑なに…

ねこはるすばん

割と大事にしていたけれど、まぁ欲しければまた買えばいいし、すごく良い本だから他の人にもぜひ知ってほしい、と思って手放した絵本がある。妙典での一日本屋。一日だけとはいえ、初めて自分の実店舗を持てたような気がして、気持ちも高ぶったのだろう。な…

猛読

本を売る仕事をしているから、本を読むことのメリットをしゃべることはそれなりにできる。自分自身、こんな体験をしたよ、とか、こんないいことがあったよ、とか。だいたいが嬉しい出来事であったから、その出来事を他人と共有できるともっと嬉しい。それが…

死と価値観

大晦日、風呂に入りながら「まる ありがとう」を読む。養老さんの愛猫「まる」が可愛らしいのはもちろん、「死」についての考えに触れ、新しい刺激を受けた。都会人は犬猫を愛玩動物として飼育し、そこから死を遠ざけようとする。誰もが必ず通る道であるにも…

本の定期便の面白さ

毎月必ず本が届く定期便(定期購読)で2店、本を読んでいる。ひとつは3年前に出会った絵本専門店による、絵本の定期便。もう一つは、地元からほど近い川越の本屋の定期便。どちらも自分自身で選びえないような本がさらっと届くので、面白い。自分も本屋と…

習慣にすること

何かをずっと続ける、ということについて、わたしが勝手に師としているのが、松浦弥太郎さんだ。例え小さなことでも、続けることに大きな意義があって、続けることで大きな成果が得られる。そう思っている。 とはいえ、彼に影響を受けて毎日続けようと思った…

朝三暮四に甘んじる空気

「朝三暮四」という故事成語がある。宋の時代、トチの実を朝晩それぞれ4粒づつ食べていた猿に、コストカットを強いられた飼い主の狙公が「朝3粒、夕4粒与える」と言ったら猿が激怒した。そこで狙公が「わかったわかった。では朝4粒、夕3粒与えよう」と…

良導体

ジョギングをしながら、「ジョギングそのものの効用」と、「続ける」ということについて、考える。 内田樹「武道論」で、村上春樹「走ることについて語るときに僕の語ること」の書評を読んだ。その中で著者は、「小説を書くために必要な「力」とランニングの…

カレーが好き

昼間、渋谷で電車を降りて昼ご飯を食べようと宮益坂を歩いた。次の電車に乗るまでの時間にそれほど余裕がない。サクッと食べられるのが良いなぁ、でもそんなのなさそうだなぁ、これじゃあ歩くだけ歩いて結局食べられず、電車に乗るようかなぁ、なんて思って…

LOVE&PEACE

悲しい思い出の夢で目を覚ました それはとても怖いことだけど 日曜日の朝が来て歯を磨いたら ここはまだ平和な場所だ (吉井和哉/LOVE&PEACE) 日曜日の朝にぼんやりしているときにふとこの曲と歌詞が頭に浮かぶ。今日、YouTubeサーフィンをしていて久しぶり…

読んでいない本から受ける影響

小学生の頃、普段使いの鉛筆とは別に、1ダース12本入りの鉛筆を大事に持っていた。たぶん三菱鉛筆だったと思う。深緑色の鉛筆の落ち着いた大人のイメージを、ぼんやりと覚えている。 小学生にとっての鉛筆は勉強をするための道具に過ぎないのだから、どんど…

書店の役割分担

1か月ぶりに妙典へ。ゆっくりはできなかったけれど、都外の空気をたっぷりと吸い込む。外から見ると都内の人は大変な状況下を生きているように見えるらしい。その張本人たる自分にはそれほど危機感はなく、生活もさほど変わったわけではないのだけれど。 そ…

仕事のためのセンス入門

兵庫県に、憧れの本屋がある。ただそこを「本屋」と呼ぶことには少し違和感がある。「本がある家」といった方が近い。「BOOKS+kotobanoie」本好きの店主が自宅の一部を開放するというこの場所に行って本を読むことが、いまの自分の夢だ。店主の言葉を本で読…

走る、を続ける

ジョギングをしようと決めてはやめるを繰り返し、中途半端な感じでここまで来た。この中途半端な感じが自分にとって良くないことが分かっているのに、続けることができなかった。短い距離でもいいから毎日走ろう、その走っている時間そのものを楽しもう、と…

学びの比喩

「実際にやってみないと分からない」というのはよく聞くことだけれど、それができたら苦労しないよ、と言いたくなる。やってダメだったらやり直せばいいじゃないか、という助言にはたいてい、本当にやり直さなければならないときに払うコストの大きさを無視…

知性的であろうとする姿勢

自分が知性的にふるまおうとすることを、忘れていることにふと気づきました。知性的にふるまわなければならないということは、なんとなく心では分かっています。その時の感情や気分に任せてまるで客観的でないことを言い、自分の考えこそが正しいのだと曲げ…

アジア辺境論

土曜日。管理組合の総会に向かう電車内で、この本を読み始める。いつも思うのだけれど、内田樹の本を読むたびに、自分の無知、自分の無関心を実感する。常に考えて、言葉にして、世の中に問う姿勢が、自分と他人とでこうも違うものなのか、自分はそれで恥ず…

不安の正体

これからどういう働き方をしたら自分の身体が喜ぶだろうか、と考える。 こんな働き方をしたいんだ、というおよそのイメージは湧いている。しかし、そこにはいつだって不安がつきまとう。できなかったらどうしよう。思い通りにならなかったときに、元に戻れな…

「読む」ことと「書く」こと

「読む」ことと「書く」こととの関係は、呼吸に似ている。そのことを若松英輔さんの本で読んで、なるほどと思った。 これまで自分は、本を読むことだけを呼吸ととらえていた。読書は別に崇高なことでもなんでもない。ただ読みたいから読むものであって、他人…

好きな10%

外出自粛のムードを言い訳に、外に出ないで一日家で過ごした。金曜日の夜に土曜日のやることを決めたのだけれど、できていない。寝違えたのか、ちょっと首が痛く、また頭もずきずきと痛む。外は冷たい雨。明日には雪に変わるかもしれないという。ひんやりと…

1からはじめる

これまでに蓄えてきた知識や体験を一旦リセットして、新しいことを一からはじめる。そのことにこれだけ恐怖を感じるとは思っていなかった。もっと自分は堂々として良いはずで、逆境に負けないそれなりの強さがあると思っていたから、その感情に気づいたとき…

少年と犬

美容院へ。いつもとまるで変わらないマスターとの会話によって、世界はいつも通り進んでいることを実感する。過ぎし方は多少変わっても、心持ちは変わらない。変えなくて良いのだと思うと、安心できる。いつも通りであると安心したいから、定期的にここに来…

交流する力

いま自分が仕事で会う人はみな、自分がいまの事務所に所属しているからこそ出会えた人である。それはクライアントに限らない。工事を依頼する工務店であったり、土地情報を紹介してくれる不動産屋さんだったり、コーディネートしているコーポラティブハウス…

調和の場

西洋医学は体を「病と闘う戦場」ととらえる一方で、伝統医療はそれを「調和の場」ととらえる。その話を読んで、調和の場としての体に敬意をもって、大切にしようと強く意識するようになった。年末年始の気の緩みで調和が多少崩れた自分への戒めとして。 伝統…

希望はいつも当たり前の言葉で語られる

好きな本屋で目に入って思わず手に取った一冊は、まだ読み始めたばかりだけれど、自分のこころに深い満足感を与えてくれる一冊になるだろうという、確信に近い予感がすでにある。こんなことは、そうない。 「誰かが見てる」という言葉に救われた著者。 そん…

逆ソクラテス

小学生の頃の自分がどういう子供だったか、いまではほとんど覚えていない。感受性が強くて、大人からたくさんの良いことを吸収し、自身に蓄える素直な子供だっただろうか。たぶんそんなことはなく、何も考えずに遊び惚けていたのではないだろうか。 伊坂幸太…

学びへの推進力

内田樹「コモンの再生」を読んでいる。刺激的なのは「本当に必要な政策は『教育の全部無償化』」という話。昔は大学の授業料が安かったから学生は苦学できた(親に反対されても、「じゃぁ自分で金出すから、もう口出ししないでくれ」と言うことができた)。…