読書

のれんをくぐると、佐藤二朗

今日は午前中から仕事だった。割と重要な、もちろん仕事はみんなそうだけれど、ちゃんとやらなければまずい打合せだった。緊張した。ちゃんとやろうと思った。だからその打合せのあと、休日は集中力がないから事務処理なんてできないと内心気づいているのに…

ワタリウム美術館の記憶

意識して美術館巡りをしようと思いたってから、また行かなくてはと気になっていた美術館がある。外苑前のワタリウム美術館だ。 大学1年の時だった。何の講義か正確には忘れてしまったけれど、入学してすぐだったから、たぶん建築史だろう。ワタリウム美術館…

いまは読めない本、いずれ自分を形成する本

昨日、いつもの美容室でマスターに新年の挨拶をした。今年もよろしくお願いします。社会人になり、この美容室の上の階の部屋に引っ越してきたあの日から、もうすぐ12年が経つ。本当に長い時間、そして定期的に会う、数少ない地域コミュニティだ。 そのマスタ…

種をまくということ

1月2日と3日は箱根駅伝。毎年テレビの前で母校の活躍を見守っている。スタートの時間にたいてい起きられないのがつらいのだが・・・。 東洋大学は今年も往路優勝。一年生が中心の若いチームがだんとつのたすきリレー。年初から勇気をもらった。復路では青山…

名言集と失敗集

「こうしたら仕事が進むかもしれない」とか「こうやって考えたらうまくいくかもしれない」と気づいたとき、参考にするのはいつも、誰かほかの人の考え方だ。彼だったらどう考えるだろう。こんな結論を出すんじゃないか。だからこうやって動いてみようか。と…

砂漠

奥沢に「Children」というバーがあるということを、自由が丘のお店を紹介する「自由が丘の贈り物 私のお店、私の街」という本を読んで知った。そのネーミングを見た瞬間にぱっと頭に浮かんだのが、伊坂幸太郎さんの小説「チルドレン」だったから、その小説が…

ピリカタント

夕方少し仕事。その帰り道、ちょっと早かったので寄り道をして、駅前のパスタ屋に久しぶりに立ち寄った。 自分と同じ名字の名札を付けたその店員さんは、しばらく会っていなかった空白期間を一瞬で埋めるかのようにやさしく微笑んでくれて、なんだか恥ずかし…

ホワイトラビット

いま別の長編を読んでいる真っ最中だから、それを読み終えるまで待っててね。少し前に、そう言って書店で手に取らなかった新刊(※)を、結局はネット書店で買ってしまった。舌の根も乾かぬうちに、とはこのことを言う。しかし、それを待っていたらいつまで経…

詩集

江國香織「パンプルムース」という詩集に、ひょんなきっかけで出会った。目の前の本棚に並ぶ本の中で、ひときわ輝いて見えた。ページをめくると、ひらがなで、やさしく語りかけてくる言葉の数々が。読んで知識を得るとか、物語の世界に入り込むとか、そうい…

はたらくきほん

金曜の夜。帰り際、事務所近くの本屋で新刊を見つけ、手に取る。仕事に対する気持ちを引き締めてくれる、長々とつづられた文章ではなく、少なくもていねいに構成された言葉。その言葉ひとつひとつが、そうだよなぁ、そうあるべきだよなぁ、と思わせる。仕事…

夜の国のクーパー

伊坂幸太郎「夜の国のクーパー」をいま読んでいる。 大好きな彼の小説の中で、これほど買って読むのをためらった作品はないと思う。最初に本屋で見かけて、裏表紙であらすじを読み、パラパラとページをめくったときに、まるで読み終えられる気がしなかったの…

仕事は終わらない

相変わらず自分の仕事の遅さ、要領の悪さに嫌気を感じる毎日だけれど、「どうせそんなもんだ。その程度だ、自分」と開き直っていては先へ進めない。これに関しては他人に負けない、というものはそのままに、ダメな点はそのことを認めつつ、じゃぁどうすれば…

終末のフール

伊坂幸太郎「終末のフール」を読んだ。1つの話がだいたい片道通勤時間で読み切れるボリュームだったので、すらすらと読めた。「8年後に隕石が地球に衝突して人類は滅亡する」そんな衝撃的なニュースが流れてから5年。人類滅亡を3年後に控え、街の混乱も…

フェイドアウトしないように

事務所近くのガレット屋さんに別れを告げて(※)、そこで「いくら気になっているお店でも、それがずっとあるということはない」ということに気づいた。当たり前なのだけれど。 (※) bibbidi-bobbidi-do.hatenablog.com だから、いま好きでいられるお店は大…

手紙生活と手紙手帖

お気に入りの本屋で、一冊の本を買った。昨年のことだ。 もともと「手紙を書くということ」には無関心ではなかった。直筆で言葉を紡ぐ手紙には、メールでは表現できない力が宿っていると思っていて、頻繁ではないけれど、書くことがあった。恥ずかしがらずに…

塩一トンの読書

「塩一トン」と「読書」とが結びつかなかったけれど、そういうことか。塩は普段そんなに大量に使うものではない。それを一トン消費するくらい、長い時間をかけて本と向き合って、初めて理解できることがある。本一冊と触れ合う、対話する濃度を、もっと濃く…

AX

いまこれを、読んでいる。発売したのを見計らって急いで楽天ブックで買って。だってほら、買おうと思って本屋に行っても店頭になかったら、困るでしょう? 「グラスホッパー」「マリアビートル」に続く殺し屋小説第三弾。と、それを聞いただけでも買う理由と…

お風呂に本を

風呂で本を読みます。湿気の多いところに紙を持っていくなんて、火を通した油に水をかけるのと同じくらいやっちゃいけないことだと思うのだけれど、その危機感すらなくなりました。一度、完全に文庫本を浴槽に落とした経験が、感覚をマヒさせたのかもしれま…

世界の夢の本屋さん

本棚がビシッと引き締まるような、そんな本棚の本を一冊は置きたいなぁと思い、手に取った。世界の「本屋さんの本」だ。海を越えた、はるか向こうの世界にある本屋の本棚を眺めながら、家にいながら旅をしているような気分を味わう。 こうしてみると、スウェ…

滑走路

【アイネクライネ】 伊坂幸太郎「アイネクライネナハトムジーク」を読んだ。6つの別々の短編が、複雑に絡まり合っている。彼の作品ならではの練りこまれた世界を味わえるのはもちろん、ストーリー全体を支配している「出会うことの奇跡」感が、胸に心地よく…

松陰神社前散歩

コンサルをしている管理組合の総会で弦巻に行ったあと、せっかくだからと、世田谷線に乗って上町から松陰神社前へ。法務局へ行くときに歩く駅前の商店街は、賑やかで、かつアットホームな雰囲気が漂っている。気になってはいたものの、謄本を取りにいかなけ…

多動力

休日を何もせずのんびりと過ごし、あとで後悔するんだったら、たくさん動いて疲れた方が良い。最近、そう思えるようになった。 いままでは、自分の時間の中で一定の休み時間、何もせずのんびりしている時間、何もしなくてもよいと思っている時間が必要で、そ…

理想はハイタワー

心優しき怪力大男、モーゼス・ハイタワー。昔観て感動し、大笑いし、自分にとっての大好き映画ベスト3に入る「ポリスアカデミー」に登場する彼に、あこがれている。こういう優しさと強さを兼ね備えた男になりたい、なんて。 女好きでいたずら大好きなマホニ…

コーヒーと京都と友の話

本と、音楽と、木と、コーヒー。これらがすべてそろった喫茶店があったら、素敵だと思っている。大きな樹がある喫茶店で、きれいな音楽を聴きながら、好きな作家さんの本を読みながら、コーヒーを飲む。そんなの、楽しいに決まっている。自分の理想のカフェ…

初めてCDを買った1998年

自分が初めて自分の小遣いで、自分のためにCDを買ったのがいつだったか、と昔を振り返った。そしてそれが1998年であることに気づき、日本で史上もっともCDが売れた年と重なり、なにか不思議な感覚に陥った。 宇多田ヒカル、椎名林檎、浜崎あゆみ、aiko。彼女…

蘇える変態

この本を、夜、浴槽の中で、読んでいる。早くも暖かさが暑さにかわってきて、ただでさえ汗をかき始めるこの時期に、湯船につかって汗をだらだらかきながら、それも、午前中に自宅の給湯器の交換サービスを済ませ、心なしか張られた湯がいつもより多く、また…

邪悪なものの鎮め方

自宅へ帰る途中の乗換駅、文具屋で本を物色する。普通の本屋とは違う品ぞろえで、いつもワクワクする。 自分の思い通りにいかないとき。こういうときはこうするべき、といった自分なりの判断基準がまったく通用しないようなとき。でも、何らかの対応をしなけ…

泣きたくなったあなたへ

照れない。ほんのちょっとの勇気を出して、それはあとで冷静に振り返ると別にたいした勇気でもないのだけれど、そうして行動したことが、きっと自分に舞い戻ってくる。いままで、何か行動に移すことができた時は、その原因は照れなかったことにある。いまま…

エッセイ

いまでこそ人並みに本を読むようになったとは思うけれど、毎日、本からたくさんの情報を摂取して、自分の知識が増え続けているかというと、そうではない気がする。だいたいが、本を読んでいる時間そのものを快適に過ごすことが目的で、時間が経つと読んだ内…

午前0時の忘れもの

美容院のマスターにすすめられたのがきっかけで、手に取った。初めてのファンタジーだった。それまでファンタジーという分野そのものを意識していなかったから、新鮮な気持ちで読むことができた。 不思議なことが、まるで当たり前のようにさらっと起きる。サ…